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昨日の日曜日のお昼前、姉から電話があり、出てみると、
「ベランダで転んで怪我しちゃって、今から救急車で病院に行くんだけど、 ちょっと救急隊員さんに代わるからね」 と、ほんの数秒で混乱の渦に巻き込まれました(笑)。 電話口に出られた救急隊員さんの話によると、ベランダで何かにつまづいて転倒し、 どこかに頭をぶつけたらしく、そこからの出血が今も尚止まらないので、このまま搬送しますと。 お義兄さんが地方に出掛けてしまっていて留守なので、代わりに病院に来てほしいとの事。 最初に本人の声が聞けたし、隊員さんの話も切羽詰まった感じではなかったので、 慌てはしなかったのですが、とにかく急いで支度をして搬送先の病院へ向かいました。 病院に着いた時には処置も終わり、CTの検査でも異常は見つからなかったとの事で、 本人も、高級リンゴみたいなネットをかぶってはいたけど(笑)、いたって元気で、 「てへへ」と笑っていたので、一安心。 そのまま帰宅はできたのですが、頭を打ってるので、この後急変する可能性もあるからと、 注意事項の説明を受け、お義兄さんが帰宅するまでは傍についていてくださいと申し送りされました。 姉の家に向かう車中で顛末を聞き、出血はひどかったらしいけど、 この程度で済んで良かったよねと、呑気に話していたのですが、 家に着いて、事故現場のベランダを見て絶句!! いったいどんな惨劇が繰り広げられたのか?と思うくらい、ベランダ一面に大量の出血痕。 とっさに掴んだらしい網戸が破れて、風にひらひらしているのも、物々しさを演出していて(笑)、 頭からこれだけの出血をしながら、よく冷静に自分で救急車を呼べたものだと感心すると同時に、 万が一、脳震盪とかで気を失ってたら・・・と想像して、心底ゾッとしました。 とりあえず姉を休ませて、ベランダの掃除をしながら、ここからはもう職業病全開。 エアコンの室外機と物干金物の設置位置の関係性が悪いと、非常に危険な状態になる事や、 室外機を置くためのベース(姉の家はブロックで、どうやらそれにつまづいたらしい)の出っ張りや、 ベランダ手すりを堅強に取り付けておかないと、とんでもない2次災害が起こる事など、 ベランダという狭い空間で、想定外のアクシデントが起きた時には、 危険な要素がいっぱいある事を再認識してまいりました。 (ついでに書くと、掃除をしながら「やっぱりベランダには水道があった方がいいわ」とも思った(笑)) グラフィックデザイナーの佐藤卓さんが、 「ここからここへ移動するのに、一段ステップがあった方が移動しやすいな、という事に気づき、 そこにステップを置いてあげるような作業の事を"デザイン"と呼ぶのではないか」 という趣旨の発言をされていて、私にとって、とても大事な言葉になっているのですが、 意匠性というのは、安心・安全の中から生み出さなければいけないよねって本当に思います。 姉の方は、今日の再診で、傷口の状態も含めてまったく問題なく、 早々にりんごちゃんネットからも解放されたようです。よかったよかった。 出血の量と傷の重さは比例しないものなのですね。 皆さんも、家の中で「歩きづらいな」と感じてる部分がもしあれば、 そこから思いもよらぬ事故が起きる可能性も十分ありますから、 足元の邪魔なものは、面倒くさがらずに、ちゃんとどかして生活するようにしましょうね。 |
自分でもさんざん、ベストはない!完璧はない!と言いながら、結局悩み続けている屋根断熱。
なぜ、こんなに悩むのかというと、屋根の断熱って、熱伝導率よりも、 その素材の持つ熱容量や吸放出性能が、住環境に大きく影響することが、 調べていくうちに分かったからなのです。 でも、以前も書いた通り (Click!) 、性能だけではなく、 施工性やコストも考えながら選ばなければならないし、立地条件でも判断は異なるし、 ここだけは、見積もりが出てから右往左往しないように、 設計者の判断で、過不足の無い提案を最初にしておいてあげたい部分なので、 結局、物件ごとに、深く深く悩んでしまうのです。 で、岐阜へ行ってきました!(唐突な展開ですみません(笑)) ある断熱材を使用している、第一人者と言ってもいい建築家の方の話を聞く事、 また、実際に採用されている建物の環境を体感する事が目的で、 ついでに、その断熱材の製造過程を見るために工場見学もしてきました。 岐阜という、夏は暑くて冬は寒い地域で、 いかに快適に過ごすことができるのか、光熱費をどれだけ節約できるのかを、 実際に入居者さんの話を聞いたり、 年間を通しての温湿度、床と天井の温度差などのデータも見せてもらって知ることが出来、 「よし、やっぱり今回はこれで行こう!」と決心して帰ってきました。 決して、温熱環境に対して熱心な設計者ではない私が(高気密高断熱には興味はないのです)、 なぜ、ここまでして確認しなければならなかったのかというと、 その断熱材が、私が目指す「呼吸がラクな家」にとって、 実に理想的な優等生である事はすでに分かっていたのですが、 決して安いものではない事や、施工者泣かせの難しい素材であることに加え、 肝心な熱伝導率の面で、データとしての数値が、あまり良くなく、 その素材だけで省エネ等級4を取るのが難しい事が、悩みの種だったのです。 他の断熱材と組み合わせてW断熱にすれば、簡単にクリアできるのですが、 それはオーバースペックのような気がして・・・。 私個人的には、省エネ等級4を死守する必要性は感じていませんが、 6年後には、それが法律で義務化される可能性がある以上、知っていながら、 将来、既存不適格になる仕様を勧めるには、それなりの根拠が必要だったんですよね~。 悩み過ぎなのは自覚しているので、どうか、そこは突っ込まずにお願いします(笑)。 今回の岐阜視察は日帰りだったので、かなりの強行スケジュールだったのですが、 さらに欲をだし、名古屋に立ち寄り、最終の新幹線までのわずかな時間を使って、 今、名古屋に住んでる、高校時代の友人にも会ってきました。 もう少しゆっくり会いたかったな・・・(笑)。 岐阜はとてもいいところだったし、次回は観光で、のんびり訪ねてみたいです。 さすがに、疲れた~。 |
この写真だと、あまりに上に居すぎて寂しそうな感じが伝わらないと思うので、
駅の出口で私が撮影したまんまの写真も載せておきますね~。 まったく要らない情報だとは思いますが・・・(笑)
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木製建具の工場見学をしてきました。
秩父方面で3か所、その後移動して昭島の工場1か所と、一日で4か所の工場を回るというハードスケジュールでしたが、とても濃密な講義でした。 収縮膨張したり、すぐに反ったり捻じれたりしてしまう「木」という難しい材料で、ミリ単位の精度が求められる建具をつくる職人さん達の技や、ものづくりに対する意識の高さに触れ、自分ももっとしっかり設計しなくては。。。と背筋が伸びる思いでした。
今回見学させてもらったのが、比較的規模の大きな工場だったからかもしれませんが、
どの工場でも、若い職人さん達が頑張っていたのがとても印象的でした。 木製建具といえば、大量生産の既成建具に押され気味の住宅業界ですが、 この人たちが、この先もずっと、いい仕事を続けられる業界であってほしいですね。 |
すっかり日が短くなりました。6時にはもう真っ暗。ちょっと寂しいです。
お彼岸も過ぎて、今年も残り3か月ちょいですもんねー。ひぇ~。 本当に、月日が経つのが早くて困ります。
先週末に点検でお邪魔したTさんの家。
竣工時に植えたシンボルツリーも、9年でこんなに大きくなりました。 (もう少しカッコイイ写真を撮ったはずが、白い塗壁と原版のガルバリウム、色が飛んじゃいました(笑)) 今までお手伝いした家の中で1番と言っていいほど、 設計の時点で、予算の関係で諦めなければならない事がたくさんあった家なのですが、 引き渡しの3年後に、「最近、つくづく、この家が私の精神安定剤だと感じます」という、 涙が出そうな(実際、ちょっと出た(笑))お便りが届き、 今も、「とても気に入ってるんです」と、大事に大事に住んでくれています。 もうすぐ10年。 そろそろ、あの時諦めた事に再チャレンジしちゃいましょうか?なんて話も出て、 まだまだこの先も、愛着が増していく為の種を撒いてきました! 家づくりで大事なのは、誰とつくるか?でも、どんな家をつくるか?でもなく、 施主が、どれだけ、自分の家づくりに関わったか?のプロセスだよなって、 Tさんの家にお邪魔するたびに実感します。 諦めた事もたくさんあったけど、諦めなかった事もたくさんあったからね。 「施主の満足」がどこにあるかを学んだ、私の仕事の根幹になっている家なのです。 また10年後に、「次は何やる?」なんて話をTさんと出来ていたら幸せだろうな。 ・・・ そんな「10年後」も、あっという間に来ちゃうんだろうなぁ・・・。おそろしや~。 |
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