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著者の西村さんは、まえがきで、私たちはいろんな人の「仕事」に囲まれて日々を過ごしているわけだけれど、最近、つくり手の「こんなもんでいいでしょ」という腹の内が伝わってくるものが溢れている事に触れた上で、こう書いています。
以下抜粋。 * 人間は「あなたは大切な存在で、生きている価値がある」というメッセージを、つねに探し求めている生き物だと思う。そしてそれが足りなくなると、どんどん元気がなくなり、時には精神のバランスを崩してしまう。 「こんなものでいい」と思いながらつくられたものは、それを手にする人の存在を否定する。とくに幼児期に、こうした棘に囲まれて育つことは、人の成長にどんなダメージを与えるだろう。 大人でも同じだ。人々が自分の仕事を通して、自分たち自身を傷つけ、目に見えないボディーブローを効かせ合うような悪循環が、長く重ねられている気がしてならない。 *
気持ちに迷いが生じた時、悩んだ時、この数行を読むだけでも勇気をもらえます。
もちろん、本編もとても上質。 特に、パン作りをしている甲田幹夫さんのインタビューに出てくる、「パンは手段であって、気持ちよさを届けたい」という言葉や、ダブルバインド(二重拘束)に関する記載は、私にとってはとても考えさせられるものでした。 この紹介を読んで興味を持たれた方には、是非、一読される事をお勧めします。 多分、"いつもそばに置いておいて、何度も読み返したくなる本"に加わると思いますよ。 この本の中で紹介されてるのは、全て、ものづくりやデザインに携わっている人々なので、もしかしたら、偏った印象を受けるかもしれません。 でも、ここに書かれている本質的な部分は、きっと誰にも共通してる事なんだと思うのです。 それを証拠に、初めて読み終えた時に、最初に思ったのが、 「あぁ・・・もっと心を込めて食事を作ってあげなければ・・・」でしたから(笑)。 |