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土曜日のほぼ日のコンテンツの中に、糸井重里さんのこんな言葉が載っていました。
「その人がいなくなっても、鋳型は残る。その鋳型こそが、その人です。 その人の鋳型が残った世界は、だんだんと元の形に戻ろうとする。 鋳型のなかにある『世界の凹み』は時間とともになくなっていく。 しかし、世界がその人の凹みを憶えていれば、その人の鋳型はなくならない。」 どうしてもここに書き残しておきたい。 という思いと、 ここに書くべきことではない。ここに書いてどうしようというのだ。 という思いが、 せめぎ合いを続けていましたが、この言葉に背中を押され、書いておくことに決めました。 一緒にお仕事をさせて頂いている建設会社の監督さん、工事部長のTさんが、 突然、本当に突然、この世を去ってしまいました。 とても元気なんだけど、血圧が高く、お薬を飲んでいるという部長に、 「とにかくお身体だけは、絶対に大切にしてくださいね」とお願いしたら、 「先生見てください!私の生命線、こんなに長いんですよ!」と、 手首までくっきりと伸びている生命線を自慢げに見せながら、 「だから、私は絶対長生きするんですよ」と楽しそうに笑っていたのに。 騙されてしまいました。 お顔を見てお別れしてきたのに、まだ、どこか信じられずにいます。 経験豊富なベテランで、とても頼もしいのだけれど、少しおっちょこちょいなところもあって、 しょっちゅう、忘れ物や失くし物をしてました。 そのせいか、最初に思い出すT部長の口癖は、「あれっ?」なんですよね(笑)。 そんな部長を、優秀な部下の監督さんや業者さんが、笑いながらフォローしているんだけど、 やっぱり、みんながT部長の事を本当に頼りにしているのが、傍から見ていてもよく分かりました。 ちょっと思ったんです。 もしかしたら、部長が最後の最後に発した言葉も「あれっ?」だったんじゃないかな・・・って。 もしそうだったら、とてもT部長らしいな・・・なんて思いながら、 クスっと笑って、この悲しさを紛らわせたりしています。 本当に魅力的な方でした。 体も大きく強面で、怒ったら相当怖そうなんだけど、お孫さんの話になると一瞬にして好々爺に変身し、 デレデレのじぃじになって、嬉しそうにお孫さんの自慢話をしている姿を見るのがとても好きでした。 いつも堂々としていてとても存在感があるんだけど、実は誰よりも控えめで、 常に周りの人たちに気を配っている、とても紳士的な方でもありました。 正直で裏表が全くなく、全ての人に平等に厳しく、全ての人に平等に優しい、 本当に愛情にあふれた人として、私の記憶の中にずっと残っていくと思います。 Tさん。 Tさんから見たらまだまだ若輩者で未熟な私に対し、決して見下すような態度は見せず、 常に、一設計者として誠実に対峙して下さる事にも、いつも本当に感謝していました。 部長が退職する前に、もう一度一緒にお仕事がしたい・・・という私の目標は潰えてしまいましたが、 社員の皆さんとTさんの思い出話をしながら、これからも楽しく仕事をしていけるように頑張ります。 どうか、見守っていてください。 たくさんの楽しい思い出をありがとうございました。 これからもずーっと、私はTさんの大ファンのままです。本当に大好きでした。
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